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兄さんお誕生日おめでとう!
何にもないのはさみしいので、もうひとつPCに埋もれていたのをエアサンプルとしてサルベージします。
きちんと仕上げられなかった俺は弱ぇ……。
休止中のようなサイトに足を運んでくださる方がいらっしゃって、ありがたいと同時に申し訳ないです。
前回記事にも拍手ありがとうございました。





皺の寄った敷布の上に弛緩した身体をしどけなく投げ出して、サスケは荒い呼吸を繰り返していた。
未だ火照りが治まらない肌をゆるゆると撫でさするイタチの手のひらもしっとりと汗ばんでいる。その手がサスケの頭を包み込み、ぐいと胸元に引き寄せた。
瞼を閉じたまま口も利けぬ様にくすりと笑みを零して、サスケの耳元に甘い声が囁く。
「そんなに良かったか?」
「訊くなよ、そういう事……」
意地の悪い問い掛けにサスケはむくれて、兄の胸元に鼻先を押し付けるようにして顔を埋めた。イタチの手は変わらず、サスケの裸の肩を撫でている。
実際、イタチに触れられる事がどうしてこんなにも気持ちいいのか分からない。
指の一本一本を絡ませ手を握り締めるのも、熱を持った素肌を重ねることも、唇と舌でお互いの身体を味わうことも、自分では触れたこともない奥深くを暴かれ貫かれることも、どれもこれも気持ちいい。全てイタチが教えてくれた。サスケはイタチしか知らない。
一つ、また一つと新しい自分を知らされるたびに思う。どうして、イタチはサスケ以上にサスケの身体のことを知っているのか。同じ男だから感じる所は同じなのかもしれないが、それにしても自分ばかりが一方的に乱されるのは少し悔しい。
「なあ、アンタは……」
懐から首だけで見上げるサスケに、兄は肌を辿る手を止めてなんだ、と目だけで促した。
「いや……何でもない」
サスケは緩く頭を振って、もう一度イタチの胸に顔を埋めた。
――どこで、アンタはこんなことを覚えたんだ
それは口にしてはいけない問いのような気がする。



青く澄み渡った空が梢の間から覗いている。時折、乾いた冷たい風が枝を撓るように揺らしていく。高い跳躍から鮮やかに地面に降り立ったサスケは、額に滲んだ汗を腕で拭った。
的を外した手裏剣は三つ。精神の乱れがこんなところにも表れている。ちくしょう、と口の中で呟いた。
「なあサスケ。お前、暗部入り希望してるってホントか?」
少し離れた岩の上からナルトが尋ねた。
任務のない休日、森の演習場で独り手裏剣術の修行をしていたサスケの元にナルトはふらりと姿を現した。死角に隠れた複数の的を狙う訓練が一区切りつくまで、ナルトは声もかけずに岩に座ったままそれを眺めて待っていた。集中力を削がれたのはナルトのせいではないのに、八つ当たりしたい気分になるのは何処かで気を許している証なのだろう。
「本当だ」
事実だけを簡潔に答えて、散乱する手裏剣や苦無を回収するふりをして背を向けた。ナルトも岩の上から飛び降り、黙ったままそれを手伝った。
「……言っておくが、お前たちと一緒に任務に就くのが嫌だから、とかそういった理由じゃないからな」
「分かってるってばよ、そんくらい」
気安さに任せたまま素っ気なさすぎたかと思って付け足した言い訳は、口にするまでもなかったようだ。ナルトは集めた手裏剣をガチャガチャと音をさせながらサスケの手のひらの上に無造作に乗せた。そして、礼を言うサスケの顔に一度止めた視線をふいと足元に逸らした。
「そうじゃなくって……暗部のことでちっと、嫌な噂耳にしたからさ」
何を当たり前のことを、とサスケは思った。
暗部とは暗殺特殊部隊。栄誉ある火影直轄のエリート集団でありながら同時に、表に出すことの出来ないあらゆる任務を請け負う。極秘であるその任務内容に良い噂など聞かない。
「暗部ってさ、任務の機密性が高い分普通の部隊より高い結束力を求められるっていうじゃん」
「そうだな」
「だから、入隊時に特別な……儀式って言うか、そういうことをするんだって」
「刺青のことか?」
11歳で暗部入りしたイタチの二の腕にもある。当時アカデミー生になったばかりの自分は、兄の白い腕に彫られた朱の印を見て誇らしさと同時に美しいと感じた事を覚えている。
「あ、いや、そうじゃなくって。いや、それもそうなんだけど、もっと……えっと……」
歯切れの悪いナルトの話が見えない。
「えーと……隊員同士で、その、なんていうか、義兄弟の契りを結ぶって言うか……」
「義兄弟?」
「そうそう!それもさ……盃を酌み交わすとかじゃなくって、もっとこう……肉体的なやつを、さ……」
そこまで言われて、やっとナルトが何を言わんとしているのかがサスケにも理解出来た。
「メンバーの絆を深めるって意味もあるんだろうけど、暗部ってさ、圧倒的に男が多いだろ。だから若い新入りがそういう対象になるって……」
「ふん、馬鹿馬鹿しい」
「いや、だから噂なんだって」
時間の無駄だとばかりに集めた手裏剣を揃えてポーチに仕舞い、もう一度的に向かおうと歩き出したサスケに後ろからナルトの声が追い掛けてきた。
「でもさ、でもさ!万が一ほんとだったらサスケそんなの嫌だろ!」
サスケは足を止めた。さわさわと吹き抜けた風が長めの前髪を揺らす。ちょうど太陽が雲に隠れ急に肌寒くなる。いつの間にか、灰色の雲が空の大半を覆っていた。
ゆっくりと、肩越しにナルトを振り返った。
「……嫌だな」
ナルトの顔が強張ったのはサスケの表情になのか。声音になのか。
顔を前に戻すととサスケは演習場を後にした。もう、修行の続きをする気は失せていた。




嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
あるか無いかも不確かな先のことではなく、あったかも知れない過去のことが嫌だ。
里の中心部を突っ切ってうちはの集落に向かう。大通りを行きかう人が皆、肩を怒らせて足早に歩くサスケと目を合わせないようにしてさりげなく道の端に避けるのにも気が付かなかった。
十年前、イタチは最年少で暗部入りを果たした。今でもその最年少記録は更新されていない。幼い自分からはもう立派な大人に見えたが、本当ならまだアカデミーに通っている筈の齢だった。
ナルトの言葉が脳裏に踊る。
――若い新入りがそういう対象になるって……
中性的な整った顔立ちで相当に若かったイタチはあの頃、暗部の中でどういった目で見られていたのだろう。
そしてまた暗部は通常の部隊よりも欠員が出やすい。イタチが暗部に所属して十年、当然欠員の補充も何度も行われている。分隊を編成し直して人員の拡充が行われたこともある。分隊長になってからは新入りの入隊に立ち会うことも多かっただろう。
もしやその時、イタチは。
ぞわり、と背中が粟立った。
「あ、サスケくん!」
それが他の声なら聞こえなかったふりをして通り過ぎてしまう所だったのに。仕方なく足を止めたサスケの元に、大通りの向こう側から人混みを掻きわけるようにやって来たのはサクラだ。
「ねえ、サスケくん。ちょっと訊きたいことがあるんだけど……」
同じく今日は休日だったサクラは買い物帰りか、片手に膨らんだ紙袋を抱えている。心もち眉根を寄せて続ける。
「サスケくんが暗部を希望してるのって……」
「本当だ。だが今すぐってわけじゃない」
「そうなの?そっかあ……」
今は触れたくない話題だが、避けることも出来ない。胸に手を当てて安堵の息をつくサクラに苛立ちを隠せず、踵を返して立ち去ろうとした。
「あ、待ってサスケくん!」
サクラが追いすがる。並んで歩調を合わせながらサスケの顔を覗き込む。
「何かあったの?眉間にすごい皺」
「……別に。どうでもいいだろ」
「そうはいかないよ。明日の任務に差し障るもの。休日はちゃんと身体休めなきゃ」
正論に対し何も言い返せない事に、更に眉間の皺が深くなる。
「そうだ、良いものあるんだ」
サクラは立ち止ると、抱えた紙袋をごそごそと漁って親指ほどの小さな壜を取り出した。茶色いガラスの壜には何か液体が入っている。
「ちょっと腕を出して」
壜の白い蓋を外して、半ば強引にサスケの右腕を取る。そして手首に壜の中身を一滴、振りかけた。紺色のアームカバーに僅かな染みを残して、それはあっという間に吸い込まれて消えた。
「おい、サクラ。これ……」
ふわりと立ち上る甘い香りに顔を顰めた。
「これ、精神をリラックスする効果があるんだよ。香りが副交感神経を刺激して、身体的にもよく休めるようになるんだって」
手首を鼻元に持っていってクンと匂いを嗅いでみた。瞬間、強い花の香りがして思わず腕を遠ざけた。
「……気に、入らなかったかな?」
「忍が身体に匂い付けてどうする。それこそ任務に差し障るぞ」
「それなら大丈夫だよ。これくらいなら半日もすれば消えちゃうから」
邪気のない笑顔を残して、医薬品を取り扱う店の前でサクラは手を振りその中へと消えた。




サクラの言うとおり、家に帰りつく頃には甘い花の香りは遠くなっていた。しかし多分これは、香りが薄くなったというよりサスケの鼻が慣れてしまったせいだろう。
玄関扉を引き、無人の家を真っ直ぐ二階へ上る。父も兄も今は任務中だ。母も今日は日中どこだかに出かけると言っていた。
自室のベッドにごろりと横になり、組んだ手の上に頭を載せる。天井を見上げた。
暗部入りはずっと前から希望を出していた。イタチもそれは知っていて、けれど任命される為の助言も口利きも何もしてくれたことはない。兄のそのような態度は公私のけじめをつける清廉さの表れであり、同時にサスケの暗部入りを歓迎しない消極的な意思が透けて見えた。暗部が抜きんでて殉職率が高いことと、イタチが暗部の闇に塗れた任務内容を熟知していることがその理由なのだと思っていた。
けれど、今日ナルトから聞いた暗部に関する噂がそこに一つの疑念を抱かせた。
かつて自分も通った暗部の因習にサスケを触れさせたくないからなのではないか。
自分の身体が知っているのはイタチだけだが、イタチが知っているのは多分、自分だけではない。今のイタチには他の女も男も影が差すことはないが、過去は違う。今まで強いて目を逸らしてきたが、サスケにはそれが事実であるとの確信に近い思いがある。
「くそっ……」
分かっている。胸の中に居座るどす黒い感情、これは嫉妬だ。自分には手の届かない、過去のイタチの相手に妬いている。いくら言葉を重ねても形にならない焦燥が、頭の中をぎりぎりと軋ませる。
サスケは目を閉じて左腕で眼の上を覆った。
兄と、真っ黒な顔をした誰かが寄り添い、身体を重ねる姿が眼裏に浮かぶ。サスケは跳ね起きた。
扉に向かって力一杯に枕を投げつける。ぼすんと間の抜けた音がして扉の下に枕が落ちた。
内臓を内側から噛まれるような苛立ちにじっと座っていることすらままならない。鬱々と考えを巡らせていると思考が暗い迷路に嵌り込んでしまう。
このままでは駄目だ。
サスケは立ち上がると自室を出て納戸へ足を向けた。


イタチの部屋の一方の壁は、天井までが一面の書棚に作られている。一番下の段にはアカデミー生向けの初歩の忍術書が収められている。それは年齢に不相応な書物でも読みたがった幼いサスケが取り出しやすいように、との兄の配慮だった。今はもうその段にサスケが手を伸ばすことはない。
腕を上げれば届くような辺りにはサスケもちょくちょく拝借する高度な術についての巻物や、昔から空き時間にイタチが好きで調べていた遺跡の記録、日々の覚書などが並んでいる。更にその上、天井近くの最上段にはめったに手を触れることのない箱と埃を被った巻物が幾つか乗せられていた。サスケの眼から遠ざけたいものがあるとすれば、そこだ。危険な忍具が入っているから触っちゃ駄目だぞ、とアカデミー生の頃言われたことを思い出す。当時のサスケの身長では踏み台に乗ったとしても到底無理な高さだったが、今ならば。
何でもいい。知れば知ったできっと自分はダメージを受けるのだろうけれど、あの真っ黒い顔をそのままにして見えない幻に心を荒ませるよりはずっといい。
納戸から持ち出した踏み台を文机を退かして書棚の前に置く。台の上で背伸びして、目星をつけた巻物に腕を伸ばす。踏み台の上で立ったままで開いて、今サスケが知りたいことの欠片でもないかと目を凝らす。一瞥して放り出し、次の巻物を取る。そしてまた次へ。禁術の考察や里の外交姿勢についての私案、あるいは一族と警務部隊のあり方に関してなど表には出しにくい事柄や思索が記してあったが、サスケの求めているものは無かった。
目ぼしい巻物を全て開いて、サスケは溜息をついた。踏み台の周りは開いたままの巻物が幾つも転がっている。片付けるのは後回しにして隣の箱を降ろすことにする。たいして重みのない箱を頭より高い位置で抱え引きずり出そうとして、何かにぶつかった軽い手ごたえがあった。サスケから見えない箱の向こう側の角が奥にあった巻物に触れてしまった。そのまま朱色の綴じ紐の巻物はころころと転がり落ちる。あっと思って手を伸ばしたサスケは、片手で支えることになった箱の重みに身体のバランスを崩した。
踏み台が傾く。伸ばした腕のちょうど手首で巻物が跳ね、弾みで朱の紐がするりと解ける。あの甘い花の香りが鼻を掠めた。そのまま、巻物が散乱する畳の上にサスケの身体と広がる巻物が同時に倒れ込んだ。



「……っつ」
強か畳に打ち付けた後頭部が鈍く痛む。サスケは畳の上で大の字になったまま目を閉じ、深く溜息をついた。
なんという醜態だ。踏み台から落ちるだなどと言う忍にあるまじき失態もそうだが、それ以上に自分の浅ましい行動に今更ながら自己嫌悪を覚える。
このような事をしても決してこの不安が消えることはないというのに。
もう潮時だ。イタチに見つかる前に片付けてしまおう。
身を起こしながらそう思って辺りを見回したサスケは違和感を覚えた。
あの朱の綴じ紐の巻物は半ば開いた状態ですぐ脇に転がっている。だが、サスケが放り投げた筈の他の巻物が見当たらない。落ちた踏み台もない。
「どうして……?」
呆然と呟いて畳に座り込んだまま書棚を見上げてみれば、妙に空間を多く感じる。書籍や巻物の数が記憶よりも少ない。
混乱するサスケの耳に、階段の方から軽い足音が聞こえてきた。
「サスケか?何をやったんだ?」
イタチの声だ。まずい、と思う間もなく襖が開く。
「…………」
「…………」
無言でお互い見つめ合う。
目の前の光景を信じられない、と目を瞠るイタチがいた。袖のない暗部服。背中の短い刀。面を持つ手甲を嵌めた腕。暗部の証がくっきり浮かび上がる白い肩。任務帰りのイタチだ。間違いなくイタチだ。けれど。
「……サスケ、なのか…?」
弟の名を確かめる目の前の人物は、暗部入りして間もない頃のイタチだった。


~(後略)~
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家人「ナルト読みたいから貸して」
私「いいよ。どの辺?」
家人「あの人出てくるところ。うーん…名前忘れた」
私「どんな人?特徴言ってくれればそれで分かるよ」
家人「えっと、忍でさあ…」
私「ほとんど全員忍だって」
家人「あ、自爆する人!」
私「…デイダラか」
他に特徴なかったのかデイダラ。
家人も一通りNARUTO読んだことがあります。
 
漏れ聞こえてくるサラダちゃんの出自が怖くて読めません。

ご無沙汰しています。前回エアサンプル(という名の書きかけ)に拍手たくさん頂いてて吃驚しております。ありがとうございます!そして中途半端なもの晒しましてすみません……
懲りずにエアサンプルと称してまた何か上げていたらぬるく笑ってやってください。

遅くなりましたが追記よりお返事を。
返信不要のメッセージもありがとうございました!人生初のオフラインだったので、読んでいただいた上にメッセージまでいただくなんて、嬉しさ通り越してとても不思議な感じがします。
 
前回記事に拍手およびコメント返信不要のコメントありがとうございました!
読みたいとおっしゃって下さった奇特な方がいらしたので、とりあえず一つサルベージしました。
タイトル未定のエアサンプルです。
イタサスで書いてる人はいなかったなあ、と思ってやってみたオメガバース。触りの部分だけで力尽きました。
オメガバースの設定はピクシブ百科等で検索して頂ければ。





世の中には男と女、二種類の人がいる。
別の言い方もある。
人は生まれつきアルファとベータ、そしてオメガの三種類に分かれている。


「おはよう。父さん、母さん」
「おはようサスケ。今日は早いのね」
今日は性別検査の結果通知の日だ。誕生直後に目視できる形状ですぐに判断できる男女の区別と違い、ホルモンによるアルファ・ベータ・オメガの違いが判明するのは10代半ば過ぎだ。全国一律に高校一年生の春、検査が実施される。
ベータの父と母。そしてアルファの兄。
郵便受けから取って来た朝刊を父に差し出す。白いワイシャツ姿の父は一つ頷いて受け取った。父はベータでありながら警察庁のそれなりの役職に就いている。職務に対する熱意と努力が、アルファが大勢を占める職場仲間の中でも群を抜いている証だ。けれど。
「おはようございます」
「おはよう。イタチは今朝はゆっくりね」



~(中略)~



通勤通学のラッシュ時間にはやや早いが駅前の国道を行きかう人はそれなりに多い。信号待ちをしている人混みの中で、兄はふと鼻を蠢かせ微かに眉を顰めた。
「兄さん……居るのか?」
「ああ。これだけの人数がいれば一人二人は、な」
そう言ってイタチは鞄から小さなピルケースを取り出し、白い錠剤を一粒、口に放り込む。それが嗅覚の働きを鈍くする物であることを知っている。
発情期のオメガの発するフェロモンはアルファの嗅覚に訴える匂いを持ち、強く惹きつける。アルファの生殖本能を刺激する。オメガ本人の意思とはかかわりないそれは、抑制剤で制御するしか方法はない……と先日の検査の際のオリエンテーションで習った。
「そんな顔するな。もう大丈夫だ」
イタチは笑う。
誰よりも自己抑制に優れたイタチですら、発情期のオメガのフェロモンには抗えない。アルファである以上、その本能には逆らえない。稀に居る、抑制剤を服用しても完全には抑えきれないオメガの匂いを遮断するために、こうやって自ら薬を服用する姿を目の当たりにしてサスケは嫌悪を覚える。
兄に、ではない。この何もかも完璧な兄を唯一惑わすものに、だ。
オメガ、という存在を嫌悪する。

勤務先に向かう電車に乗る兄と改札前で別れて、跨線橋を渡って駅の反対側に出る。ここから高校までは徒歩十分だ。しかしサスケはちらほら見える同じ制服を着た生徒たちとは違い、大通りを真っ直ぐ行かず途中で道を右に折れた。3ブロック分進んだ所にある家のインターフォンを鳴らす。ガチャリとドアが開いた。
「おはようサスケくん!ごめんね、ナルト寝坊してもうちょっと待ってて欲しいってばね!」
玄関先で出迎えてくれたのはナルトの母、クシナだ。家の奥からは「あと三分待ってくれってばよ!」と叫ぶ声が聞こえる。
母親同士が友人である縁で出生前からの幼馴染であるナルトを、こうやって毎朝通学途中で迎えに来るのは小中高通しての日課だ。
「まったく、もう五分早く布団から出ればいいんだけどね」
ナルトより先にその父親のミナトが玄関に姿を見せる。きちんとスーツを着込んだミナトにサスケはぺこりと頭を下げて挨拶した。
「じゃあ、行ってくるよ」
「気をつけてねミナト。いってらっしゃい」
サスケはさっと目を逸らした。別れの挨拶に熱烈なくちづけを交わす夫婦の姿は目の毒だ。
「ったく、この万年新婚夫婦が」
食べかけのパンを口に咥えたままのナルトが寝癖の付いた髪を押さえながら靴を履く、その傍らで夫婦の別れの挨拶はまだ続いていた。
「いくら発情期だからってさあ……」
ミナトはアルファでクシナはオメガだ。そしてクシナは唯一サスケが厭う理由を持たないオメガである。
二人は番(つがい)だ。
番を持つオメガは、もう己の番に向けてしかフェロモンを発することはしない。発情期になっても、辺り構わずアルファを誘うことはしない。



~(中略)~



その忌み嫌う記号を、サスケは終業直前のホームルームで配られた結果通知書の中に見た。





エアサンプルという名の書きかけでした。申し訳ありません。
予想どうりにサスケはオメガでイタチの運命の番。
ちなみにナルトはアルファでサクラがベータのつもりでした。
 
ご無沙汰しております。
留守中もご訪問&拍手頂いていましてありがとうございます。
動きが無くて申し訳ないです。

ピクシブでたまに見かけるエアサンプルって、エアだから実物の本はないわけで、あれって読む人はもやっとするのかな?
私はサンプル読んで、この先はこんなかな、って想像するのも楽しいので、喜んで読ませてもらってるけど。
エアでないサンプルはサンプルとして十二分に活用させていただいてるし。

書き上がるあては無いけれど、書きたい部分だけは書いてみたってのがPCの底に沈んでるけど、サルベージして出した方がいいのかな?
支部ではとてもじゃないけど出来ないので、公開するとしたらここでのみの限定になると思うけど……
うーん。何も動かないのとどっちがいいんだろう。